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このフレームはカスミソウをモチーフにしたデザインです。 カスミソウっていうのは、写真左にある花で、 けっこうカワイイ花で好きな花の一つです。 これをプリザーブドにすると、丸い花になって 面白い質感になります。これをモチーフにEROSデザインに活かしました。とはいえ、カスミソウの模様を金属にレリーフする、って なかなか難しくて、その特徴が出ませんでした。 まず、手描きでデッサンの時は、そこそこにできましたが、 その後に、PCで描き直すときは、あまりの要素の多さに大変でした。 試作に入ると、カスミソウ特有の細い枝の部分が 切れちゃったり、実は繋がってない部分があったりして、 技術開発のチームメンバーにはえらい迷惑かかりました。 このカスミソウのフレームの技術には エッチングという技法が使われています。 ここでいうエッチングっていうのは、ウェットエッチングです。 簡単にいうと、金属を溶かす溶液の中にメガネを放り込んで 模様にそって溶かしていく、という技法です。 溶けていない部分がカスミソウの模様のところです。 なんで溶けている部分と溶けていない部分があるの？ と感じると思います。①まず、メガネのテンプルの外形をプレスで抜きます。 ②そこに、金属溶液をはじく成分をインクとして、カスミソウの 模様で印刷します。 ③模様が印刷されたメガネのテンプルを金属溶液の中に そのまま浸します。 ④すると、普通金属は溶けてなくなりますが、 一方、金属溶液をはじく成分が付いてるとこは、溶けません。 その溶けずに残っている部分がこのデザインの模様の部分です。 ⑤しばらくして、その溶液から出してみると、カスミソウの 模様で抜かれたテンプルが出来上がっているというわけです。 ☆ちなみに、この溶かす金属によって、 はじく成分のマスキング剤も変わるし、溶液も変わっていきます。 このエッチングという技法は、どちらかというと、 フェミニンなフレームデザインによく使われている気がします。特に、最近では多く見かけるようになりました。 でも、まだまだマスカリンなフレームのデザインには、 活かされていません。加えて、フェミニンなモチーフのカスミソウを 使って、メンズフレームをデザインしたら逆に色気と新鮮さを 感じるフレームなるのでは！？とデザインを始めました。 一見、派手に見えるこのフレームも、 使われるパターンの単純化、ラインの太さの統一化、そして カラーバリエーションをオーソドックスなものにする事で落ち着いた大人な感じに仕上がったと思います。
 ゴールド････あえて金メッキではなくて、白を混ぜた肌なじみのいい ホワイトゴールド。日本人の肌に馴染みます。
グレー･･････スーツを着たときでも、普段でも、すんなり似合うように 日本人の髪の毛の色に合わせました。
シルバー････カスミソウに近い色だと白を連想しますが、 白の塗装だと、浮いてしまうので、 それに近いシルバーを選んでみました。
普段は、あまりいろいろ考えると勢いや、インパクトが 無くなってしまうため、あまり計算は入れませんが、 今回のデザインは、なるべく多くの方にその良さを分かってもらう為、 細部にわたり、注意を払いました。 派手すぎず、地味すぎない、不思議なイメージの フレームができたと感じます。 もしかすると今までのデザインのなかで、最もブランドイメージに 近いフレームができたかも？！しれません。