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EROSというのは、ギリシャ神話の愛の神『キューピッド』のギリシャ語です。かけたときに、人を魅了できるような、魅力のあるデザインを心掛ける眼鏡ブランドになるように願いを込めたブランドネームです。ここでは、EROSのデザイナーとして、仕事の内容はもちろん、   プライベートについても綴っていきます。EROSオフィシャルサイト→http://eros-eyewear.com
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EROS AWコレクション04
今期の新作コレクション、最後のご紹介はこれ。
P1010038.jpgこのやばそうな空気感が伝わるでしょうか。このモデルは、なんとモチーフが“煙”。恋や愛、出会いや別れ、人はたくさんの移ろいの中で生きていきます。
“うたかたの夢” は、できては消える、消えてはできる水面にできる泡を夢に例えた言葉で演歌なんかでよく使われてきましたね。しかし、そのうたかたがEROSのモチーフになるとは思えません。そこで、ピンと来たのが煙です。その煙をイメージして完成したのがこのモデル。紹介する前にWEBサイトのトップページに掲載したところ、早くもたくさんのお問い合わせをいただいたモデルです。この煙モデルは、一年以上も前から動いていたEROS史上、いや、うちの会社の中で最も開発期間が長かった商品となったのではないでしょうか。
P1010041.jpgまずはこのディテールをご覧ください。グニャグニャにひねられた腕の模様が有機的な煙の流れを表現しています。なんと、これ、Titaniumで作っています。当初は様々な考案がなされ、キャストでつくるか、部分部分でプレスパーツを作っていき、それぞれをレーザー溶接をしていくなど等。最も実現性が無いとされたのは、一体プレス。
P1010042.jpgこのTOPVIEWを見てもらうとわかるように、かなりの立体的な構造になっています。このように、高低差がありすぎると、プレスの力が逃げてしまったり、プレスで穴があけられなくなってしまいます。まずは、中国でギブアップされ、それじゃ日本で、という事になりました。一つだけ明らかなのは、ぜーーったいに、デザインを変更しないで作る、でした。二年近く前に描かれたこのデザイン図面は変更する為のモノではなく、実現する為のモノ。だから、デザインを変更して実現するのではなく、実現する為に、工程を変えていく、それだけに固執してきました。わがままと言えばわがままかもしれませんが、曲げちゃいけない、変えちゃいけない、というデザイナーとしての勘が働いた、そんなところでしょうか。あんまり、デザイナーとしての勘はよくないのですが。。。笑
もう、こうなったら値段はいくらでもいいから、まずできるところを探そう!と鯖江の中で様々なメーカーにあたりましたが、どこもだめ。そして、マザー工場も難色を示す、そんな状態でした。それなら、人で作ろう、と思いました。もう一度、自分たちのテーブルにのせ、何が問題で、何ができないのか、そんな事をすべて潰していきました。それを一つずつ、中国のスタッフ、日本人にこうしたらどうか、あぁしたらどうか、を重ねて重ねて、やっと実現したモデルなんです。だから、生産地じゃないんですよね、人なんです、人。情熱とやる気と根性。それがすべてなんだと、このプロダクトで体現できたと思います。社内では、リリース前なのに、ブログに書いちゃってもいいのか?!発表前なのに、WEBサイトに掲載しちゃって大丈夫か?と心配されましたが、大丈夫です。ちょっとやさっとじゃ、真似できないので。逆に、できるもんならしてみな、というスタンスです。(マネしたいブランドがあるかどうかは、わかりませんが。。。笑笑)
そんなこんなで出来上がったこのプロダクトは、、様々な努力、みんなの気持ちの結晶です。実は、企画の段階で、ちょっと派手じゃない?とか、これ、万人うけしないよね、というデザイン的、商業的な話は一切なかったんです。売れなくてもいい、ほしい人にだけ買ってほしい!ただ、ただ、実現させて、世に出したい、そんな一心でした。サラリーマンとしては失格かもしれませんね。でも、そんな気持ちもインダストリアルデザイナーに備わる職人としての意識は必要なんじゃぁないか、と感じます。

ただ、一つだけ、謝らなくてはいけない事があります。
ここで書いていいのかどうか、わかりませんが。
この商品、一度は完成間近まで、いってました。ほかの3型と肩を並べてリリースするはずだったんですが、上がってきた形状確認サンプルのある一部分に、どうしても、どうしても納得いかないところがありました。すでに型も完成し、デモレンズもカットされ、あとは組み上げるだけ、という量産も同時進行の状態だったのですが。。。さすがに、迷いました。正直にいうと、普通の人は気が付くかどうか、微妙な線だったので、そのまま行こうか、リリースしてしまおうか、と考えました。会社で作ってい以上、目標や予算はつきもの。それを実現させるのは、最低限の使命ですよね。でも、でも、でも!!!!! 今回だけは、あきらめきれませんでした。いつか、どこかで出会ったKAzにサインを下さい!と言ってきてくれた若い子、 EROSの新型が待ちきれない!と言ってくれた男性、 EROSコレクション持ってますよ! とメールをくれた人たち。 彼らに、これがEROSだ、と目を見て言えるか、そう自問自答しました。メーカーとしての前に、人として、嘘はないか、そんな気持ちで、やっぱり、すべて、ストップをかけてしまいました。日本全国の営業の皆様、お店の方々、すみません。自分のわがままでこのスタイル、納期が遅れる事になりました。自分の責任と判断です。申し訳ありません。もう少し、待ってください。その代り、これなら大丈夫、って心の底から言える、胸を張って伝えられる商品をお届けします。
それから、工場のみなさん。自分のこだわりだけで、こんな大変な思いで作ってくれてるのに、それに加えてまた型を作り直す、苦労、莫大なお金をかけさせてすみませんでした。でもやっぱり、デザイン最高!EROS最高!めちゃくちゃかっこいい!!!
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無題

こんばんは。7月に産業支援授業で大変お世話になった商工政策課の乙坂です。
このフレーム惚れ惚れする美しさですね。IOFTで発表ですか?楽しみです!

ところで、アップルのSteve Jobsが亡くなり、彼の特集の中、スタンフォード大学卒業生に向けたスピーチがあり、こんなことをおっしゃってました。(http://www.youtube.com/watch?v=OaMT8fZpEXA&feature=related)
「他人の雑音で心の声が掻き消されないようにしてください。最も大事なのは自分の直感に従う勇気を持つことです。直感とはあなたが本当に求めることをすでに分かっているのです。」


サンプルでどうしても納得がいかない部分があってストップをかけられたとか・・・直感+勇気ですね:)


ところで、御礼が遅れてしまいましたが、この場をお借りして。
生徒たちのスケッチの3D化ありがとうございました。あまりにも立派なフレームになっていたのでビックリしました。あれは子供たち、確実に飛び上がって喜んだことと思います。将来の進路の選択にデザイナーが加わったはずです。
大変時間のかかる作業にも関わらず、あそこまでしていただき、心より感謝です。
(3D化された画像をHPに追加してあります。)
Re:無題

乙坂さま
コメントありがとうございます。
その節はお世話になりました。

コーラスやオーケストラの様ですよね。
ある世界や空間の中で、存在すると、その流れやテンポに
流されがちでもあり、容易でもあると感じます。

しかし、それぞれがそれぞれのパートが
その役目や才能、そして美しさを自覚しながら
表現し、役目を果たしていくさまが浮かび上がりました。

全ての場面で、とは言えなくとも、そう言った揺るぎない気持ちや精神を持ち続ける事は、必要だと感じます。
自分の存在云々はともかく、頂いたコメントに、ハッと気がついた思いです。ありがとうございます。
引き続き、わがままなのか、やり方なのかを、自問自答しながら、精進していきます。

先日の産業支援の件では本当にお世話になりました。
今回は、授業に際して準備を重ねてきたデザイナー、そして、その授業を受けられた生徒さん達の気持ちが結晶となり、3Dのオペレーターの気持ちをも動かし、完成度をあげる事ができたのだと思います。
自分はそれぞれを確認し、進めていく事しかできませんでしたが、乙坂さんのお気持ち、お言葉は皆に伝える所存です。
まだまだ未熟者ですが、今後とも、ご指導お願い致します。
ありがとうございました。
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プロフィール

HN:
KAz
HP:
性別:
男性
自己紹介:
EROSというのは、眼鏡のブランドです。
主にメンズブランドですが、女性にもかけられるようなデザインとサイズを意識したモデルもあります。
眼鏡、アイウェアーというと、どうしても
モノよりな見方をしがちですが、
一番大切なのはかける人です。
かける人がよりよく見える眼鏡。
そして、その眼鏡をはずして素顔を見たいを思わせる眼鏡、そんな眼鏡を作りたいと思います。
かける、魅せる、素顔を気にさせる、
取ったときの意外性や、感動を与える。
そんな眼鏡ができるといいですね。
なにしろ主役はかける人ですから。

今後は仕事の内容はもちろんですが、それ以外のプライベートな情報も載せていければと思いますので、
皆様宜しくお願いします。
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